以前、多くをまとめて紹介した、チーム向け商品(⇒こちらとこちら)だが、その後もフィールドフォースは、より「痒いところに手が届く」新規商品の開発と、既存商品の改良に余念がない。現場にアンテナを張り、ユーザーの要望に耳を傾ければ、その需要は膨大。新商品も次々と生まれている。
じわじわとヒットの予感「塁ベース・ガッチリ君」

2月に発売開始した新商品「塁ベース・ガッチリ君」FBASE-3838GKが好評価を得ている。ベースの裏に、四隅にねじ込み式の固定ピンを取り付けた金属製のプレートをはめ込み、ピンが地面を“噛む”ことで動きにくくなる、という塁ベースだ。
学童野球ではよく見かける光景だが、小学校の校庭など野球専用でないグラウンドや、大人用のグラウンドで学童野球サイズのダイヤモンドをつくった時には、一、二、三塁の塁ベースが“置いただけ”の状態になることが多い。すると、練習や試合の最中には、走者の側も、守る野手側も、触塁のたびに頻繁にベースが動いてしまうのだ。

フィールドフォース社長の吉村尚記が解説する。
「試合では、ベースが動くたびに審判がタイムをかけ、正しい位置に戻すことになります。そのたびに試合がストップし、守備や攻撃の“流れ”まで妨げられてしまう、なんていうこともよくありますよね」
低学年の選手などの場合は、塁上の選手がベースが本来ある場所にいるべきか、あるいは動いてしまったベースの上にいるべきか分からず、右往左往…なんて場面に遭遇することもある。
「そんなシーン、なくしたいですよね。審判も同じ気持ちのはずです」
そんな風に、ベースが動いてしまうことで、地味に募るイライラを解消してくれるのがガッチリ君なのだ。

滑り込みなどでベースが動いてしまうことが減る一方で、固定ベースのように完全固定にもなっていない。これにはベースが動く余地も残しておくことで、衝突などによる選手のケガを予防する狙いもある。
ガッチリ君のセットには、短いピンと、長めのピンの2種類が付属している。短いピンは人工芝のグラウンド用、長いピンは土のグラウンドで使うときのためのものだ。
どちらも効果は大きく、ベースの位置直しのイライラ低減に役立ってくれているようだ。新たな定番商品誕生、となりそうな予感だ。
同じアイデアで作られた、もう一つのベストセラー
「実は『ガッチリ君』のアイデアはこの商品から来ているんです」
吉村がある商品を指さした。
「ピッチプレート」FPP-1046。発売から6年以上になるが、フィールドフォースの商品には珍しく、これまで一度もモデルチェンジをしたことがないロングセラーだ。

何もない土や人工芝のグラウンドに置いて使う、簡易版ピッチャープレート。少年軟式サイズ、51×13センチのプレートと、クッション性のある人工芝、スチール板の3層構造になっており、4辺の端を90度に折り曲げたスチール版がガッチリと地面に食い込むことで、動きにくい構造になっている。圧倒的に使いやすく安定性も高い、ベストセラーだ。
「野球は併進運動が多い。ピッチプレートはスチールのエッジが利いているので、体重がかかれば、プレート自体は動かずに安定するんです。通常は長いペグを打ち込んでプレートを固定しグラウンドづくりをしますが、これなら置くだけでいい。使い勝手は最高です」
吉村が説明する。

野球用ではないグラウンドで試合や練習を行うときには、通常のピッチャープレートとして使うことも可能。大人サイズのグラウンドの場合は、大人のプレートの手前、ホームベースから16メートル地点に置いて臨時の学童野球用プレートとすることもできる。
人工芝もクッション性が高く、スパイクのまま使うことができる点も評判が高い。もちろん、試合前や、ブルペンがないグラウンドでのリリーフ登板前の投球練習用にも最適とあって、備品として持ち運び、使用しているチームは多い。

「この『ピッチプレート』には、バリエーションもあるんです」
「室内用ピッチプレート」FSPP-1561は、「ピッチプレート」の最下層のスチール板を、質量のあるゴム板に替えた構造となっている。
「冬場は雪に埋もれ、外で練習ができない北海道で、体育館の床の上に置いて使えるプレートがあったら…という声に応えて商品化したんです」
厚いゴムマットにより、体育館の床の上を傷つけることなく、しっかりと踏ん張って動かないピッチャープレートが誕生したのだった。
チームとのつながりが新たな着想に
チーム向けの商品は、たとえベストセラーであっても、個人向けのヒット商品ほど数が売れるわけではない。それでも、それ以上にプラスがあるのだと吉村は言う。
「商品を通して、チームの指導者とつながることができることですね」
現在ではSNSの普及もあり、ネットを通じてユーザーの声に接することも増えたとはいえ、やはり“生の声”を聞き、会話の中から新たな問題点や、その解決の糸口を見つける作業は欠かせないのだという。
「やはり現場の意見の方が情報量は多いですからね。ネットでの発信と、そのレスポンスではどうしても、一方通行の言葉の連続になりがちです。一方、対面で相手の意見を聞きながらのやりとりには発展性があります。ひとつの商品の感想にとどまらない会話から、新たな製品のアイデアが生まれることも少なくありません」
2019年、学童野球のルール変更で、投手に「一人1日70球」の投球制限が課せられて以来、多くの学童野球の現場で使われてきた「投球カウンター」FTC-1500Aは今年に入り、リニューアルした。
一見、これまでの投球カウンターと大きな違いは感じない。マイナーチェンジだ。それでも、素材変更により軽くなり、持ち運びが楽になっていたり、風でめくれにくくなった数字シートに変わっていたり、3本の脚を「Y字」に配置することで、左右に並んで座り作業をするときに邪魔にならないように変わっていたりと、実際に使ってみると、使いづらかった部分が、きっちりと改良されている。これもまた、小さくはあるが、確かな進化ではある。

まだまだ便利になりそうです
チーム向けギアの定番である防球ネットの多くもモデルチェンジし、タイヤ付きのタイプにリニューアルが進んでいる。
「圧倒的に、この方が便利ですからね」
と吉村。各ボールパークで使っているネット類は、今ではすべてタイヤ付き。ネットをこまごまと移動させて使うことが多い室内練習場の運用では、その利便性の高さを実感している。
こうして、新商品開発も、既存商品のリニューアルも、着々と進むチーム向けギア。このほか、「簡易版バッティングケージ9m」FBN-933や「全方位集球ネット-360°」FZHSN-360など、大型のチーム向け商品にも魅力的なものは多い。ぜひ使ってみてほしい。

